「りえ先生のペットの未来クリニック」の日誌

犬猫の皮ふ、アレルギー、耳、歯、精神科が得意な動物病院のブログです。

健康な耳と歯

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6歳のチワワさんです。

歯磨き上手なうえ、年に2回の歯周病予防をしていて健康な歯をキープしています。

 

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耳も当院で子犬のビデオオトスコープ治療をスタートさせた記念すべき第1号のワンちゃんなんです。

当時生後5ヶ月、たった1.5キロでした。

 

あれから6年、耳もキレイな状態をキープしています!

とても嬉しいですね!

 

 

富士丸君の定期検診

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今年の3月に耳のオトスコープ治療に来ていた富士丸君が9ヶ月ぶりに検診に来てくれました。

 

耳の奥をオトスコープでのぞいてみると…

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わりとキレイな状態です。

9ヶ月前の治療がいきていますね!

 

 

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今回は歯の方が悪くなっていました。

歯肉炎だったのでルートプレーニングとスケーリングをします。

歯肉炎だけど歯周病ではない=骨まで炎症はいってない。

ここがポイントです!

歯肉炎は治療すれば治ります。

歯周病になってしまうと進行を食い止めることはできても完全に治すことは出来なくなってしまいます。

定期的な検診で未然に防ぐのが大切なんです。

鼓膜が破れても聞こえます。

耳の治療って犬や猫が痒がっているから必要、と思われるようですが、それだけではありません。
鼓膜を救う治療でもあります。


耳の治療をしていると入口付近は綿棒で薬が塗れるので痒みや赤みは減ります。
でも奥の鼓膜にはこんな塊がつまっていたりします。

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この塊をビデオオトスコープで除去すると頭をふったり首をかく症状が消えるだけでなく、音も聴こえるようです。

ただし人も聞こえるといっても、破れてしまっていると音がくぐもっているらしいので、犬はほえなくなって大人しくなった、と感じるくらいかもしれませんね。

まずはビデオオトスコープで一回でも耳の奥を見にいくことお勧めします!

猫の膀胱炎を未然に防ごう!

寒くなってくると増える、猫のオシッコの病気


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何故だと思いますか?
寒くなって飲水量が減りトイレに行く回数が減るのも大きな原因です。
これはぬるま湯にしたりトイレを暖かい安心できる場所に置くことで解消できます。


あとはフード!


おしっこの病気の予防にと猫の結石予防食を食べさせているお家も多いと思いますが、それだけで結石は完全に予防することはできません。


そのフードで予防出来るかもしれないのはマグネシウム由来の結石だけです。


6歳過ぎると猫はフードが原因でないシュウ酸結晶などが増えることは、世界的に昔から獣医師の間では知られています。
病院専用のフードでもストラバイト結晶や結石は出来ることがあります。

 


しかも尿が詰まるのは基本雄猫!


メス猫は尿道も太く詰まることがあまりないので、血尿は雄猫と違いほとんどでません。

たまたま血液検査と一緒に調べた尿検査で潜血や尿沈渣で異常がみつかることが多いのです。


歳のせいで元気がなかったりイライラしていると思っていた高齢のメス猫が、治療すると数年前の元気さに戻ったということが良くあります。

女の子は隠れ膀胱炎の可能性が高いんです。

 


おしっこの採り方はこんな感じで!


https://www.kao.co.jp/cat-health/special/urinalysis/


(花王さんに許可は取っております。)
採取した尿をティッシュやカット綿に染み込ませてビニールのチャック袋に入れて涼しい場所に保管しその日か翌日までに病院で検査してもらいましょう。

年に2回ほど、猫は連れてけなくても尿を持参して尿検査だけでも受けて、年末年始に増えやすくなる膀胱炎の先手を打ってみませんか?

 

血尿が出てから慌てて病院に行くハメにならないよう普段から備えたいですね。